不整脈

全身疾患への対応

不整脈は心臓が血液を送るリズムに異常が生じた状態です。動悸や息切れ、胸痛などの自覚症状が出たり、失神や心不全、なかには突然死に至るものもあります。不整脈の診断は24時間心電図(ホルター心電図)や心エコー検査、運動負荷心電図などの検査で確定診断をおこないます。
脈拍の記事で不整脈の種類は頻脈・徐脈・期外収縮の3種類と説明しました。これは大まかな分類であり、疾病としての不整脈には多くの種類があります。いずれにも共通して言えることは、心臓が正常に血液を送れなくなった状態ということです。また、血流がおかしくなることで血栓ができやすくなることもあります。
不整脈は症状が軽ければ経過観察で済むことが多いですが、症状が重い場合は以下の事項に気を付ける必要があります。

①抗血栓療法
ワーファリンやリバーロキサバン、エドキサバンなど抗凝固薬を服用していることがあります。
抗凝固薬は二次止血におけるフィブリン形成を阻害する薬剤です。歯科において出血が予想される場合は止血が難しくなるため、止血剤や止血に有用な機材など事前の準備が重要です。

②歯科用局所麻酔薬
アドレナリン添加の局所麻酔薬の場合はアドレナリンのβ受容体刺激によって不整脈が誘発されることがあるためモニタリングは必須です。

③体内植込み型装置
房室ブロックや洞房ブロックなどではペースメーカーが、心房細動や心室頻拍などでは植込み型除細動器が体内に植え込まれていることがあります。これらの装置は電子機器との電磁障害が問題になるため、電源コードを患者の体から極力離す、電気メスなど患者の体に通電させる器具の使用は極力控えるなどの注意が必要です。

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