全身状態の把握~脈拍~

患者本人と取り巻く環境の把握

脈拍は心臓の拍動(心拍)を末梢の血管の動きから評価する時に使われます。高齢者の場合、正常な範囲は50~60回/分です。パルスオキシメーター(経皮的動脈血酸素飽和度測定器)を用いた方法や橈骨動脈・総頚動脈を触知して15秒間の拍動を数え4倍する方法によって計測されます。

脈拍の測定部位                                    

異常な状態、いわゆる不整脈としては頻脈と徐脈、期外収縮の3つがあります。
①頻脈
頻脈は心臓への負担が増加しており、脈拍が100を超えた状態です。頻脈性不整脈や甲状腺疾患、アルコール依存、緊張、痛み刺激などで生じます。
②徐脈
徐脈は末梢組織への血流の供給不足が生じており、50未満の状態です。徐脈性心房細動などで生じます。
③期外収縮
健康な人では脈拍数=心拍数ですが、これが当てはまらない場合があります。
それが期外収縮がある時です。心臓は拍動しているものの末梢まで血液が送られていない時が生じているため、脈拍が飛んでしまう現象が生じます。心房性期外収縮、心室性期外収縮があります。

一方、息を吸うと脈は速くなり、息を吐くと脈は遅くなります。運動や体温の上昇でも脈は速くなります。これらの脈の変化は病的なものではなく、生理的な反応です。
高齢になると不整脈を生じる割合は高くなります。歯科医院に訪れる高齢者の脈拍には要注意です。

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