認知機能&認知症重症度

患者本人と取り巻く環境の把握

認知機能とは脳の大脳皮質(外側のしわしわ部分)が担う生活上欠かせない機能の総称です。
認知機能にはどのようなものがあるかというと以下のようなものがあります。

① 記憶(物の名前や意味・エピソードの記憶、学習など)
② 見当識(時間・場所・他者との関係)
③ 空間認知(立体構造の理解、運転)
④ 遂行機能(料理や買い物、家事に関係する)
⑤ 判断・理解力(法律の順守)
⑥ 共感能力(他者の気持ちを推し量る)         など

これらを総合的に評価する認知機能の指標として有名なものはMoCA-J、MMSE、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)があります。

認知機能評価

1.MoCA-J
30点満点の指標で、点数が低い方が認知機能が低い。時計の描画や図形の模写、計算問題、抽象的なグループ分けなどをおこなう。

2.Mini Mental State Examination(MMSE)
30点満点で、点数が低い方が認知機能が低い。時計の描画や図形の模写、計算問題、文章の復唱、文章作成などをおこなう。

3.改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
30点満点で、点数が低い方が認知機能が低い。他の二つと異なり、質問のみで構成される。何か書いたりはしない。

それぞれの違いを問う問題も出る可能性があるので、この記事を参考に覚えてください。
これら以外の認知機能の指標はMini-Cog、DASC-21、ABC-DSなどがあります。

認知機能とはまた違う話になりますが、認知症の重症度分類も重要なポイントです。重症度分類は認知症の進行を定量的に評価するのに用いられます。“認知機能評価”は認知症じゃない人にも使われますが、“認知症重症度”は認知症の人に使われるものです。認知機能評価が認知症重症度の代わりに使われることはありますが、認知症重症度が認知機能評価の代わりに使われることはありません。認知症重症度分類にはClinical Dementia Rating(CDR)とFunctional Assessment Staging (FAST)が有名です。

認知症重症度分類

1.Clinical Dementia Rating(CDR)
0(なし)、0.5(疑わしい)、1(軽度)、2(中等度)、3(重度)の5段階評価。
記憶、見当識、判断力と問題解決能力、地域社会の活動、家庭及び趣味、身の回りの世話の6項目をそれぞれ評価し、総合的に判断します。

2.Functional Assessment Staging (FAST)
大項目で7段階、小項目で16段階評価。CDRよりも細かく評価できる。

認知機能の評価と認知症重症度は細かな内容を覚えるのは非常に難しいです。
最低限、名前とそれぞれの違いについては言えるようにすると良いかと思います。

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